マネタリーベースとマネーストックを(おまけでCPIも)プロットしてみました。

またゲイのない、芸のないグラフ。
日銀HPから拾った数値をプロットしただけの。
景気(=GDP成長率)というのは、お金の量×スピード(回転数と言ってもいいかも)でして、お金の量というは、日銀が抱えているお金=マネタリーベースではなくて、市中に出回っているお金=マネーストックでありますから、そちらにも着目して、両方の伸び率を比較してみましょう。

 

………。線グラフにしただけなのに、けっこうおもしろいですよね(棒。
○1990年代前半まではマネーストック≦マネタリーベースの傾向。それ以降は、ほぼマネーストック>マネタリーベース。
○1980年代の前半部分。81年~82年にかけてマネーストックが急に落ち込んでいるのはなんでだろ?オイルショックでもないし……
○1985年。といえば、プラザ合意による円高ですが、このグラフからBOJがマネタリーベースを急にいじって何かした、とは見えにくい。ただ、86-87年にかけてはマネタリーベースの上昇が見られる。
○1987年~1990年まで、マネーストックは高い伸び。いわゆるバブル景気の時代。景気は過熱気味であったけど、「公定歩合低めは国際公約なんだからねっ!」という言い訳で放置プレイ。 (一方、自国の経済を最優先するドイツは「国際公約?国際協調?知ったことじゃねーよ。まずは自分の国が第一だろ」と無視して引き上げた。)
○ここまではマネーストックは平均9.1%。頭の中の想像なんだけど、市中でのお金の貸し借りもまた盛んで、資金需要が活発で、信用創造やりまくりで、ゆえに貸し出し金利もそれなりにあり、それでも借りて投資を行うなどの経済活動が活発だったんだろうなー。当時は。 マネーストックは投資が効いているような気がする。それは設備投資かもしれないし、不動産投資かもしれない。

 

○つぎにバブル崩壊エラ。
○1990年~92年にかけて急速な信用収縮。マネタリーベースが低下の度合いが大きく、先行的。引締めですよね。総量規制もあって、それは実額よりも心理的に効いたような記憶。
○しかし1993年からはMB、MS共に増加に転ずる。それ以降はMB>MSの伸び率が継続的。
○2000年にMBがガクンと下がっているのはなんでだろ?ITバブル?

 

○で、第一次非伝統的金融政策が2001年から2004年くらいまでかな。非伝統的金融政策の定義は、元BOJボードメンバーの講演で説明あったけど忘れちゃった。
○これにより市中に出回っているお金、マネーストックが増えたか?というと、グラフではあんまあり増えていないですよね……

○その元BOJボードメンバーさんの講演では「びくびくしながら」旨のことをおっしゃっていたような。そりゃ中央銀行がここまでやって委員会!?と思うのも無理ないですよね。。。
○「クルーグマンは日本に『大胆にやれ』というけど、外国のことだから無責任に言っているんじゃないんですかね」。私もそう思う。日本はあんたの実験台じゃない。
○「CPIにもあんまり効果なかったよね」というのがこの講演のコンクルージョン

○2007年からMBがガクンと落ち込んでいるのはなんでだろ?株価のせい?なんだったっけ……
○しかし、MSはそんなに落ち込んでない。というか、2007年から持ち直している。
○2011年ごろの白川BOJ時代に、第二次非伝統的金融政策(「第○次」は私が勝手に命名)をまたやっている。けど、MSはピクリとも反応せず……  Too Little、Too Late?はいはい、そうかもね。

 

○2012年末。安倍政権発足。アベノミクス開始。
○第三次非伝統的金融政策。リスクを冒して国債・金融資産マシマシしてみた。ピークは+55%越え。まさに異次元の金融緩和。
○しかし……MSは日本国が成長していた80年代レベルには遠く及ばず、5%ラインにもタッチしない。あがったことはあがったけど。
○最近はMBもMSもダレ気味。。。
(注:2014年10月以降は、BOJ総裁の80兆円追加を勘案して、80兆円÷12ヶ月で計算しています)

 

ということで、このグラフを見た後には、「中央銀行が資産増やしても、そのお金は思うほど、想定するほどは、市中には行き届かないよね。中央銀行は市中のお金を増やす直接的な手段は持ってないよね」と読むのが、一般的な理解ではないのかと私は思うのですが。 どうでしょうか。

 

おまけで、コアコアCPIもプロットしてみた。 相関を述べよ。